試奏レポート “Ampeg B15-N” 1960s

普段、ちょくちょくお邪魔する渋谷の楽器店で試奏をしていると、「こんなの入荷しましたけど試してみます?」と紹介されたアンプがありましてね。

 

アンプに関して言うなら、うちは20数年間、walterwoodsしか使っていないし不満もないので、新しいプロダクツにはそう興味はないのですが、そこに鎮座していたアンプはちょっと別腹(笑)。というか、新しいものではないし昔から好意を持っているアンプでした。それがこちら。

 

 

ampegのヴィンテージ、Portaflex B15-N。以前、知り合いが持っていたものは70年代製のヘッドのみですが、その時の印象がとってもよかったんですよね。それ以降、しばらくはヤフオクなり楽器屋なりで探している時期もありました。最近は忘れてましたが(笑)。

 

ご存知のようにこのアンプはヘッドをスピーカーの中に仕舞えます。可搬性を重視したモデルですね。ただ長年の酷使の結果、スピーカー部分が駄目になってヘッドだけ売っているケースも散見します。が、このブツは多分フルオリジナル。しかもとても状態がいい。外側のトーレックスも痛みが少なく、また運搬用の台座(キャスター)も付属している!

 

 

実際に音を出してみますとね…これがまたいい音するんだ!ワット数でいうと30W程度だと思いますが、音量的には充分。スタジオぐらいならこれだけでいけますね。15inch一発のスピーカーですが、ハイも充分にあります。スラップも切れる。そして何よりも真空管の音圧のある艶っぽい音。音に塊感があるというか。弾いていて暴れる感じよく出るし、とにかく理屈抜きに楽しいです。やっぱりヴィンテージの楽器との相性は抜群だな!フラットワウンド張ったPBの鳴らしたい(笑)!!

あと意外にもアクティブでも良い音するんですよね、これ。そういう意味では守備範囲広いかも。

 

アンプヘッドからスピーカーへの接続は、オリジナルなのでフォーンジャック。この辺を改造しているものも多いですが、こちらは純正のままのようです。(写真、撮り忘れました。)

 

 

チャンネルは2chですが、案の定、1chと2chでは音が異なります。個人的には使えるのは1chだけかな。ブリっとしたいい音しますよ、ホント。真空管なので寿命はありますが、まだまだ使えそうな印象です。こちらは、回路図などもそのまま残っていますし、内部もとてもきれいですね。詳細写真はこっちに載ってます。

 

お値段的にはそこそこしますが、状態などを考えると一般相場よりは安いのかな?うちが広ければぜひ欲しい逸品ですが、多分こういうヴィンテージアンプはレコーディングだけで使うほうがいいのでしょうね。マイキングして録音すれば、昔のモータウン・サウンドが蘇るのではないかと。プロのミュージシャンや置く場所のあるおうちにお住まいの方にはいいかもね。

 

いやぁ、ホント、欲しいなぁ。見た目もいいし、インテリアにもなる(笑)。いつかは手に入れてたい逸品だなぁ。誰か知り合いが買ってくれないかな。ときどき音出しさせてもらって癒やされたい(笑)。

 

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試奏レポート “FENDER AMERICAN PROFESSIONAL”シリーズ

数か月前のベーマガにも特集されてましたが、fenderがかなり力を入れてプロモーションしていることが感じられる戦略商品が、このAMERICAN PROFESSIONALシリーズ。ローンチしてから、数本試奏をさせていただきましたので、その感想などもつらつらと書いてみようかと。

 

 

まずね、広告などに使われているカラー(右)。これ、ソニックグレイと言うそうです。個人的には好きだなぁ。くすんだ色ですが、昔のカスタムカラーやインターナショナルカラーに通じるfenderっぽさがあると思います。この色をメインカラーで押してくるあたり、なんとなくですが強い意思を感じます。

 

そして価格的なことにも少し驚き。このシリーズでは、JBとPBが同一価格なんですね。指板材のアップチャージも当たり前ですが同じ金額です(ローズはメイプルより5000円高い)。今までの傾向からいうと、JB>PBという価格設定が一般的でしたが、そういう慣習は捨てたみたいですね。この辺はアメリカのご指導なのでしょうかね?アメリカ在住の識者に伺った話だと、アメリカのヴィンテージ市場ではJBとPBの価格差はほとんどないそうです。なのでそういう感覚がここにも反映されてるのかな?なんて思いました。まぁ、ヴィンテージ市場とは関係ないか(笑)。

 

詳細はこちらのサイトに任せますので、まず弾いてみて思ったこと率直に書くと…。

 

fenderらしいfenderだし、この金額なら全然あり!

 

新開発のブリッジやピックアップ、グローバータイプのオープンギアのペグとか、それなり現代の音楽に合わせたアップデートを行ないながらもちゃんとfenderの音はするし、弾き心地も違和感がない。フレットなども比較的細めと思われるし、ネック幅などはいい意味でJB,PBの普遍的なサイズ。弾いた個体に関してはウェイトバランスも良かった。

 

 

ちなみにブリッジは表通しと裏通しが選べるタイプ。重量はシッカリあるタイプですね。工場出荷時は裏通しになってます。これが表にしてたときに音やテンションにどのぐらい違いがあるのか、興味深いです。

あとピックアップの取り付け位置はJBの場合60’sの位置にリアマイクが付いています。そのお陰か、リア単体で使っても結構ファットでいい音してましたよ。スラップしても充分なローがありましたし。

 

ネック裏はサテンタイプでスベスベ。フィンガリングはし易いですね。

 

 

1つ、個人的に好みとして合わないのはペグかな。オープンのグローバータイプ。

 

 

ポストが細くて少し下に向かってテーパーが付いているタイプ。まぁ慣れの問題だとは思いますが、うまく巻きにくいですよね。弦も切らないと収まらなさそうだし。あと、他のペグに変えにくいかも。ブッシュ径がヴィンテージタイプとは合わないかもしれません。それとグローバータイプのペグはfenderタイプのヘッドで見慣れてないのでちょいと違和感があります(笑)。

 

数本試奏しましたが、工場出荷状態のままでの試奏でも悪くない。ここからきちんと自分の好みにアジャストすれば、充分戦力になると思いました。音はね、若干若いことは否めないけど、意外と育つかも…と思わせるポテンシャルもあります。また個人的にはメイプル指板ブームということもあり、同スペックのPBを弾いてみたところ、音に明るさと鋭さがあり70年代PB的な質感。ヴィンテージのそれとは違いますが、今の音楽にはこっちの方があってるかも知れませんね。

 

あとね、4,5本ほどの経験値ですが、個体差が少なかったです。弾いた楽器の中に「これはダメだ…」と思うような楽器は1つもなかったです。そういう意味ではきちんとクオリティ・コントロールされていると思いました。沢山の本数を作る工業製品としては大変なことだと思います。

 

楽器屋さんでこのシリーズを見かける度に「このシリーズ、売れてる?」と聞くのですが、総じて「売れてる」という答えですね。楽器屋さんからの評価も高いです。「ちなみにどんな人が買っていくの?」と聞きますと、とある店員さんは、「fenderJAPANから乗換えるお客さんが多いですね」と言ってました。なるほど。fenderエントリー層からのアップグレードを他社に奪われずに刈り取る上では非常に戦略的な価格ですよね。fenderを含め、JB・PBタイプはキリがないぐらい選択肢がありますからね。その中で本家としての存在感を示すことは大切だと思います。

 

ということで、このシリーズがどんなふうに展開、継続していくのか、少し注視していこうかと思っています。迷走気味だったfenderにビシっと筋が通ったような気もしますしね。個人的には大好きなブランドですので、頑張って欲しいと思います!

 

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試奏レポート “YAMAHA BB P34/BB734A/BB434”

日本を代表する世界的楽器ブランド、ヤマハ。そのベースのフラッグシップといえるのがBBシリーズ。BB2000などが開発されたのが70年代後半。そして80年代後半によりJBライクでヴィンテージを意識したモデルチェンジを敢行。2000年代に入ってからは、従来からのBBらしさに再度注目しつつ現代的にアジャストされたBBシリーズが発売されました。

 

そして今年、新BBがベーマガに掲載されててビックリしたんですよ。もう新しいの出すのか!って。今までのシリーズよりちょっと早くないすかね?以前の最高級機種であるBB2024などは定価で30万オーバーだったし、なかなかセールス的には難しかったのかもしれませんね。

 

ということで、新しいBBはどうなんだろうなぁって思ってたんです。今回のラインナップの中で先行発売された海外生産のBB434は1ヶ月ほど前に試奏したことがあり、その時の印象が結構良かったので、一番高い国産バージョンが発売されたときに比較してみたいなと思っていたのです。そしてちょうどこの週末に入荷したての最上位機種に出会うことができましたので、早速試奏をしてみました。

 

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左から、BB734A/BB P34/BB434です。

 

今回は在庫にバリエーションがありましたので、3機種弾き比べてます。音の印象はそれぞれに個体差はあると思いますが、早速レポートを。

 

まずは、今回一番弾いてみたかったBB P34。

定価は21万5千円。楽器屋さんの実勢価格では19万ぐらいです。以前比べてだいぶ安くなりました。原価を見直して構造を変えてきたことが大きな要因ですかね。とりあえずいっぱい写真を撮ってきましたので、詳細をみてみましょう。

 

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今回のシリーズはほぼこのヘッドの意匠で統一されています。一見、グレードが判別できませんが、一番安い機種はヘッド上部のヤマハロゴ(音叉の)が印刷ですね。それ以外はエンボスした金属(?)が埋め込まれています。またこの最高位機種のみ、ストリングガイドが1弦〜3弦をカバーしてます(他は1,2弦のみ)。あと本機種のみ金属パーツがつや消し(サテンニッケル)になっており、高級感が増してます。

 

 

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見た目、好きです。コントロールは従来のBBによく採用されていたピックアップセレクターではなく、2vo、1t。使いやすいです。

まずは従来から大きく変わったブリッジから。

 

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見ての通り、裏通しも可能なタイプで、しかもその通し方はこんな感じ。

 

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ボディから直角に弦を落とす従来型ではなく、斜めに留めるようになってますね。そのためボディバックは斜めにカットされてます。ここは弦鳴りやテンション感に大きく影響する部分だと思います。実際に弾いてみますと、特に大きな違和感はありません。テンション感もキツい感じはしませんでしたね。

 

そして音を支えるピックアップも本シリーズでは新開発してます。

 

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一見、すべての機種に同じマイクが載っているように見えますが、P34と734/735はハイグレードアルニコ垢箸いΔ海箸悩絞眠修気譴討い泙后BBのアイデンティティとして、お約束のPJレイアウト。エスカッションとかもないので、BBっぽさは薄れてますが、シンプルでプレーンな見た目は個人的には好印象です。

 

で、ネック周り。一番の目玉はここですかね。

 

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本シリーズでは以前のBBの代名詞とも言えるスルーネック構造は採用されていません。一般的な4点留めに合わせて、ネックエンドを斜め45度から固定する2点のボルトが付加されてます(一番安い234とかは通常の4点)。マイター・ボルティング方式と呼ぶそうです。これにより擬似的なスルーネック状態を作ろうという意図なんでしょうね。似たような構造は過去のアティテュードやCITRONなどでもありましたが、その効能はどこまであるのか?実際にこの斜めのボルトを緩めるかとかしないとわかりませんが、弾いた感じ充分なサスティンはありました。あと何よりもこの構造の採用に原価が抑えられているのが思います。買い手にとってはここが一番ありがたいことなのかも(笑)。

 

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指板周り。ローズですね。なんか見た目の印象ですが、BBっぽいローズでした(笑)。BB2000あたりで見慣れた感じの。質感はいいですね。安っぽくはありません。張り方はスラブで厚め。ポジションマークはこの機種と734/735のみバータイプのインレイが入ってます(後はドット)。

 

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あとね、P34/35のヘッド裏には、誇らしげな“日本製”の文字が。食料品と工業製品は日本製が一番安心です(笑)。コストがかかっても作りが良いと信じられる証拠、みたいなもんすかね。

 

んで、試奏した印象ですが、個人的はとても良いと思いました。値段から考えても全然お買い得かも。まず4弦の締りもよく密度も圧もある音でした。重心も低くロー感充分。ボディが潰しのカラーなのでわかりにくいのですが、アルダー+メイプル+アルダーのラミネート3プライ構造なんですね。この辺が音や鳴りに大きな影響を与えていると思います。膨らみ過ぎず音に締まりがある。鳴り自体はまだ固い印象。やはり単板や単一素材の音とはちょっと違うような気がします。

4弦をサムピングした音とか、本当にビシって決まる。程よいメタリック感もあるし、音程感もある。1,2弦のプルは、PJっぽさはあるものの、嫌味な感じのミドルは薄くて、比較的すっきりしてるのではないですかね。ここは好き嫌いかと。PJマイクはフロント、リアとも単体で使っても充分圧があります。またフルテンもJB的な美味しさもある。ただパーシャル領域でF/Rミックスしても、その微妙な音の厚みの変わり具合などは体感しづらかったです。この辺はもっと大きな音量で試したらまた別の印象になるかもしれませんが。

あとね、不思議なんだけど、やっぱりヤマハの音がするんですよね(笑)。BBを弾いていると自分で思っているからそう感じるのかもしれませんが、ヤマハの持つDNAは受け継がれているように感じました。私は好きだな。

 

ここまでで随分長くなってしまったので、あと2機種はポイントだけご紹介。

 

BB734A

アクティブ回路搭載機種。この回路は非常に良かった。私はアクティブ回路であってもパッシブトーンは欲しい方なのですが、この回路に関しては必要がない。アクティブのハイをカットすれば、パッシブトーン的に効いてくれる。それからパッシブの音を基音にアクティブで音を作るタイプの楽器だと思います。なので、当然パッシブ時の音がいい。これ、アクティブでありながら、その使用を前提としてない気がします。さすが。

 

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価格が4弦で10万5千円。実勢で9万程度。インドネシア産だとやはり安いね。しかしパーツなどは比較的P34と近い。私がもし購入をするなら、この機種を選択するかもな。一番コスパが良いような気がします。

あとね、ネック裏などがサテンのブラック系で覆われてます。この機種のみそういうフィニシュになってます。あとハードウェアもブラックニッケルですね。

 

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BB434

こちらもインドネシア産のBBです。ただこちらはアルダーボディ。ラミネートはありません。そのお陰なのか、私の試奏した個体のせいか…、とても鳴りが良く、弾いていて反応が楽しかったのはこの機種でした。P34に比べると音的には若干腰高な印象はあります。ずっしりとしたローはない。とは言え、普通のこの価格帯の楽器よりは全然いいですよ。実勢価格で5,6万ですからね。ほんとに企業努力が伺えます。あと、安くても構造的にはきちんとフラッグシップと同じです。

 

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ちなみにハードウェアは普通のクロームです。

 

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YAHAMAのベースにはfenderにはない味わいがありますね。それが好きかどうかで評価は変るかもしれませんが、造りは本当に丁寧だし、研究を怠っていないメーカーだと思います。これからもこういう楽器を出しつづけてほしいですね。総合評価として、このシリーズは良いと思います。プロもエントリ層も手が出しやすいし、音的にも満足感があると思いますよ。ご興味があれば、ぜひ試奏してみてください。

 

P.S

前のBBは、個人的に値段の割に感動がなくて、あまり好きではありませんでしたが、このシリーズは好きです。

いつもいろいろな試奏をさせてくださって感謝してます!福田さん!

 

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