試奏レポート “ALIEN AUDIO L5-PJ34-TFG-”

未知のブランドの試奏レポートを書くのはいつ以来でしょうか(笑)?久しく書きたいと思うブランドもなく、どちらかというとヴィンテージや既知のハイエンド系に偏った感じで試奏などをしてきましたが、先日、これはいいかも!と思えるベースに出会いまいましたので、ご報告方がた、所感などを上げておこうかと。

 

まずは、このブランド、ご存知ですか?

 

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ALIEN AUDIO(エイリアンオーディオ、でいいのかな?)。私は初めて聞く&触るブランドでした。どうやらナッシュビルで生産しているメーカーで、正式にスリークエリートが代理店に決まっての日本初上陸らしい。んで、こちらがその最初の1本目、とのこと。

 

ふらっと寄った渋谷のクロサワに置いてありましてね。この色とそして見たことのないブランド名とルックスに興味をもちまして、早速試奏家魂に火がついてしまったわけです(笑)。

 

 

観ての通り、シングルカットのPJスタイル。しかもPUはノードストランドのPスタイルとJスタイルのビッグシングル。

 

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音の総括は一番最後に書きますので、まずは忘れないうちに、軽くスペックのおさらいを(笑)。ボディがスワンプアッシュでネックがアッシュ+メイプル+アッシュの3ピース。回路はオリジナルでブリッジが2TEK。これだけでもかなり個性的な感じがしますよね。

 

まずはそれを持った時のバランス。アッシュネックということでネックヘヴィーになりそうな感じもしましたが、全然そんなこともこともなく、軽めのスワンプアッシュと相性もいい。ネック材の杢目を見るに結構いい気を使っているように思います。シングルカットの弾きにくさも個人的には感じませんでした。ホールド感も悪くない。

 

さらに特徴的とも言えるのが、そのネックシェイプ。

 

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写真では分かりにくいかも知れませんが、非対称になってます。5弦側が薄く、1弦側が厚いアンシンメトリー。割と逆のシェイプを持つ楽器はありますが、これは珍しい。まず弾いてみると、やっぱりそういう楽器に触れたことがないので正直違和感はある。だけど弾きすすむと、意外と合理的な気もしてくる。人それぞれの親指を置くポジションにも因るとは思いますが、構えたときにネックの低音部が薄いことでネック全体に指を回しやすい。また高音弦を弾く時はしっかりとした厚みがあるので、ポジションをホールドするのがラクです。慣れれば、良いシェイプなのかも。

 

そして珍しいのは、そのコントロール。

 

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大きいノブが上から、トーン、バランサー、ヴォリューム。まぁ、普通と逆よね。あと小さいノブが、上からトレブル/ミッド/ベース。ここはノーマル。このプリアンプの特徴はこれだけじゃなくて、ヴォリュームをプルするとオーバードライブがかかる(笑)。あとトーンを引っ張るとヴィンテージとハイファイという2種類の異なるサウンドが出る。こういう回路って割とキワモノが多くて、実は使えない…なんてことも多いのですが、このオーバードライブはちょっとよかったかな。激しく歪むというよりは、音の厚みを出すドライブというイメージ。サンズなんかの考え方には近いのかも。普通のラインを弾きながら、少し押し出しを強くしたいときとかにも使える感じ。大人なドライブですね。ヴィンテージとハイファイは、試奏した環境では、実はあまり判然としませんでした。弦も死んでたし。故にそこは言及せず。

 

もう一個特徴的なパーツ、ブリッジ。

 

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各弦ごとに支持するタイプで、ボディは貫通しております。この手のブリッジをなかなか採用しているところは近年ありませんよね。個人的には印象イイです。ちゃんと弦振動をボディに余すことなく伝えている感じがするのと、適度なヌケというか、暴れ感を演出する上で機能しているような気がします。科学的根拠ではなく、あくまで弾いた印象ですけどね(笑)。

 

んでもって、ヘッドやボリュートは割と厚め。

 

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少し、LAKLANDっぽい感じ。これはこれで私は好きです。きっちり弦鳴りをサポートして、さらには剛性的にも優れている。

 

んでね、気になるのは実際の音はどうなのよ?と。

私は、この楽器をスリークエリートの広瀬さんが入れた理由がなんとなく分かるなぁ(笑)。感想からいうと好きです。見た目のキワモノっぽい感じとは裏腹に、ベースとしてかなり実直な音がします。いわゆる派手なドンシャリサウンドや巷のハイエンドとは違う方向。オーセンティックでありながら、しかもオリジナリティがある。音的には近いポジョンニング/マーケットにあるのが、コッポロなんじゃないかな。あそこの不安定な供給状態を解決する一策になるのではないかと。演奏感も構造も良く考えられているし、鳴りも悪くない。個人的には合格ですね(笑)。

PJレイアウトも基本的にはキライですが、これに関しては指弾きをする限りでは気になりませんでした。ミドルの落ち着いた使いやすい音がしましたよ。ppやJJはどんな音がするのか気になります。

 

しかもね、価格で言うと、

 

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非常に戦略的。コッポロが今みたいな尋常じゃない値段になる前に流通していた価格と近いのではないかしら?

 

まだこれ1本しか弾いてないし、個体差があるのかないのか?とか、JJレイアウトも、PP(リアのPはリバースしてる)も、ダブルカッタウェイのシェイプもあるようですし、それらはどうなのか?と気になるところ。まぁ、とりあえず、いろんな個体を弾いた上でじゃないとブランドとしての評価はできませんが、これからの供給が楽しみであることは間違いありません。

 

ヘッドのデザインも私としては好きです。ただ保守派の私からすると、ボディ形状は普通のJBやPBに倣ってもいいかな(笑)。とにかく定期的に新品が入ってくるようなら、今後も注視していこうと思います。

 

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試奏レポート “Fender JAZZBASS 1963 Fretless mod.”

きっとね、ジャズやフュージョンが好きなベーシストはね、絶対に一度は触ってみたい、そんなベースだと思うんですよ、これ。





いま、バーチーズさんで販売している63年JBのフレットレスです!
このモディファイを行なおうとすることは、今の時代にはあって、ほぼ犯罪に近い(笑)。普通は止められるしね(笑)。しかし、この楽器に関しては、この方法が一番正しかったように思います。

実は、こうなる前の入荷したての頃、このベースを試奏させてもらってましてね。そのときはもちろんフレットありの状態で、そこそこバランスを崩していたように思います。基本的な音はヴィンテージのソレではあるのですが、フレットの状態があまりよくなく、確か3弦B♭や2弦B♭あたりのハイポジションでのビリツキがキツかったように記憶してます。摺合せでも難しそうな印象。もし本当に気に入って使うなら、私なら打ち替えが前提…という感じ。そこで「フレットレスにしたらいーんじゃないか?」そんな話がでたように思います。まぁ、この見た目ですからね、欲しい人には自分で背徳感を背負いこむことなく使える訳で(笑)。

まずは基本的なスペックから申し上げますと、ネックは62年12月ですがポットは63年だそうです。コンデンサもワイヤーもオリジナルですね。見慣れた佇まいです。



指板はラウンド張り。詳しくはこちらに譲りますが、フレット/ナット以外はオリジナルです。まぁ、年季は入ってますが音はもちろん現役感あります。モディファイの詳細の様子はバーチーズのFBにありますので、ご確認ください。

そして肝心の音です。これはね、やっぱりfenderの音がするし、ヴィンテージの音はしますよね。当たり前か(笑)。音を言葉にするのは非常に難しいのですが、私がいいなぁと感じたのは、低音の締まり。十分なロー、ローミッドを持ちつつも、それらが不必要に広がることなく、輪郭がある。スッキリしているとでも申しましょうか。巷のJACOモデルなどを弾くとハイはあるけど、ローが抜けてしまっており、上辺だけの音、見た目になってしまっていることが多いですが、これに関してはそんなことはもちろんありません。またJACOのJBはスラブでしたが、こちらに関してはラウンドの減りも考慮して今回はエポキシも盛った(というか削った)ようで、音に適度な落ち着きも感じます。

入力に対する反応もいいですね。今まで5本ほど安物ベースをモディファイしてきた経験では、フレットレス化を施してから、しばらくすると鳴り方に結構な変化を感じることがありました。だんだんと落ち着いて音色やサスティン、反応に変化が出てくるのですが、多分、これに関しては最初からある程度完成されてますね。まぁ、安物のベースと比べるのも、どうかとは思いますが…(笑)。
ハイポジションでのサスティンも気持ちいいし、ビブラートもかけやすい。多分録音してもその音は間違いないんじゃないかなぁ。そうそう、その音だよね!と言われると思いますよ。ピックアップもへたってなくて、ハイもあります。トーンコントロールで随分サウンドメイキングの幅はあるように思います。



フレットレス化の精度に関しては、文句なしです。まぁ、いつも家のやつもやってもらっている斉藤君の手によるものなので、私としては全く違和感なし。弾きやすいです。



ちなみにモデファイ前の指板はこんな感じ。



良い色の指板ですよね。好き(笑)。

重量は4埃紊阿蕕ぁウェイトバランスも許容範囲内。まぁ、この見た目でフレットレスですから、かなり周囲からの目は惹くと思いますし、JACOフォロワーじゃないと使いづらいかも知れませんね。私だったら、ピックガードは付けてしまうと思います。周囲に期待を持たせないためにも(笑)。

なかなかホンモノのヴィンテージでフレットレスを実現している楽器はないので、これを弾くことは本当に得難い経験とも言えると思います。もし欲しい人がいたら、早い方がいいかもしれないですね。こういうの、ホント、ありそうでなかなかありませんから。

最後にその音源が分かる動画がありましたので、無断で転載してしまいます。問題があれば、落としますので(笑)。>織原さん



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試奏レポート “NS Design CR4M”

試奏レポートとしてのエントリは随分久し振りですね。試奏自体は普段から結構な頻度で行ってますが、なかなかエントリに上げるほどの感動を味わえるものは少なく…っていうか、まぁ、面倒くさがりで書けてないだけという噂もありますが(笑)。

今回、エントリにした理由はシンプルで、北の大地に住むペチョコリさんから依頼があったから。近年は年に1回、私が「北の海の幸セット」(市場で買い物をして送ってもらうんです)の買い物をお願いする程度で特にベース的なやり取りはなかったのですが、先日、突然、こんなメッセージが来ましてね。

すっかりベースおたくとは縁遠い生活をしておりましたが、先日たまたま買ったベーマガを見て、ちょっと胸キュンするベースがありました。 別に新しいものではなく、以前からあったものなんですが、何故か弾いてみたい。 しかしここは最果ての地。 試奏なんぞ夢のまた夢・・・ そこでお願いがあります。 試奏家Mr.Shinmeiに弾いてきてもらいたいのは・・・ NS design CR4M いやー、まさかこれが弾きたくなるとは思わなかったです(笑) …中略…ワタシが中学の頃からの10歳年上の知人が楽器屋を営んでおり、夫婦共々仲良くお付き合いさせていただいているのですが、ワタシ、その店から楽器を買ったことがないんです。 ウチの奥さんがそれをひどく気にしており、とうとう 「家計から購入費用捻出するから買いなさい!」 というびっくりするような結論になりまして・・・ 話が現実化するのであれば、いざ手元に届いてから 「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔しなくてすみます。 というわけで、試奏、インプレッションをお願いできませんでしょうか?

素晴らしい奥様!!お世話になっているのに楽器を買ったことがない楽器屋さんへの心遣い、ナイス!(私、そんなんばっかだしw)家計から楽器代を捻出してもらうなんてことはなかなかないですからね。なので、是非買ってもらえるように、お世辞と買いたくなるウソを沢山書き連ねていこうと思います(笑)。
私自身はエレクトリックアップライトを弾くことはないですし、そもそもアップライトの弾き比べとかしたことがないので、その辺の相対評価はご勘弁ください。その代わりエレベ弾き視点での弾きやすさ、扱いやすさなどを中心に書かせていただきますね。

ということで、NSデザインの日本代理店であるクロサワ楽器総本店に行ってきましたよ。んで、一目散でこのベースの試奏を申し出ました!





見ての通り、竿にスタンドが付いている見た目。ネッドスタインバーガーらしく、何ともシンプル。デザイン性は相変わらず高いですね。キルテッドメイプルのボディも非常に綺麗。いい材ですね。指板は真っ黒なエボニーです。ルックスは本当にいいなぁ。
まず気になるのはそのサイズだと思いますが、指板のスケールは、3/4サイズのコントラバスと同等。なので、日本においては一番普及しているサイズだと思います。一般的なコントラバスからの持ち替えもラクかもしれませんね。ちなみにボディがないので、ポジションがわかりづらいという人のために、ネック裏に両面テープで取り付ける突起物(仮想のボディ接合部)もあるそうです。

構えてみるとね、ウッドの場合はそのボディを体で支えて、フォームを安定させますが、こちらはそれがない。すべて足元のスタンドでその役割を負うわけですね。そこに心配があったのですが、その部分の可動性は高く、様々な角度や長さに調整はできます。体に合わせたセッティングはし易いかと。ウッドの場合、左手の握力に頼らず、後ろに(背中に)引くようにして押弦するので、その安定性がどうか気になりましたが、よっぽど強い力で引っぱらない限りは問題ないっすね。またネックの寝かせ方とか、その辺はボディ裏で細かく調整可能っす。ただし、弾きながら楽器の角度を変えるようなフレキシビリティはありません。あくまで決まった角度に合わせて、自分がアジャストして弾く必要はあります。そこはまぁ、慣れかな。



では、細かく見ていきましょう。まずはエレベ弾きからすると嬉しいのはポジションマーク。



見ての通り、1フレット分ずつ、指板上にポジションマークがありますので、分かりやすい。迷子にならずには済みそうですね。もちろんスケールはエレベのそれとは比較にならない長さなので、しっかりとした練習は必須かと(笑)。面倒くさがりには高いハードルです。
あとネックの握りに関しては、一般的になウッドとそう変わらない感じ。特に細いとか、そういうことは感じませんでした。意外にもナチュラルですね。サテンフィニッシュなので、触感もいいですよ。



それから弦高ですが、これは比較的簡単に調整することが可能です。





黒いブリッジの駒(上の写真)、あるでしょ?これね、背面(下の写真の穴空いているところ)からレンチで上下調整可能です。ピエゾが仕込まれてますので、弦高の上下で若干音に影響があると思いますが、この辺は音聴きながらバランスとる感じですかね。マグネティックのピックアップも丸くて可愛い。大きい◯と小さい◯がありますが、その辺をお店の人に確認しましたが、適切な回答がありませんでした。両方共マイクではあるようですが(笑)。

んで、肝心の音です。まずはコントロールの説明。



一番上がヴォリューム、次がピエゾとマグネティックマイクのMIXバランス、3番目がピエゾの音色変更するコントール(トーン的な役割ですが、ローも変化します)、4/5番目がEQのハイ、ローとなります。個人的な感想でいうなら、マグネティックのマイクはあんまり使わないかな。ピエゾがいいっす。ウッドの質感もあるし。音作りのキモは多分、ピエゾ/マグネティックのバランスと、3番目のトーンコントロール。ここで基本の音を決めて、あとは編成やアンプ、会場に合わせて、ハイ・ローを調整するといいかな。音は作りやすいと思いますよ。難しくはないです。あとボディがないので、ハウらないのはいいかもしれませんね(笑)。

結構長々書いちゃいましたが、個人的な評価としてはアリですね。ウッドを適度に意識しつつも、完璧なウッドの代役という位置づけではないように感じます。もしウッドの変わりが欲しいならアルターエゴとか、そっち系の方がいいと思いますが、こちらは適度にエレベ的な質感とコントロール感を活かして、ウッドを始める障壁、敷居の高さを下げてくれているように思います。エレベがメインでありつつも、時々ウッド的なアプローチをしたい、そんな人には良い選択だと思います。本当にウッドやりたければ、やはりボディのあるウッドを買った方がいいですからね。



ちなみにクロサワでは税別36万円なり。この手の楽器はもっと値段が張るものが多いので、戦略的なお値段だと思います。個人的には交渉すれば、もう少し下げられるかな(笑)。もしお買い上げになるなら、地元の楽器屋さんとご相談ください。

こんな感じでいいかしら?ペチョコリさん。
もし情報足りなかったら、言ってくださいね。思い出しますから(笑)。

p.s
個体差はあるのか?と聞いたら、やはり楽器なので、あることはあるようです。なので、本当は弾いて確かめてみたほうがいいのかもしれませんね。ただそこまで詳細な差がエレベ弾きの私に感じられたかどうかは自信はありません(笑)。

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